プロジェクト「建仁寺南の家」③

建仁寺の南、八坂通のほど近くに佇む家のリノベーションプロジェクト「建仁寺南の家」の進捗状況です。

プロジェクト「建仁寺南の家」

 

建仁寺近くのリノベーション住宅の平格子

資料に明治時代の記録が残る、建仁寺南の家。
リノベーションも完了間近となりました。

外観は、建築時の姿を思いうかべながら、周囲の景観に馴染む意匠に再生します。
表の道に面した窓には、元々とても簡素なアルミ格子が取りつけられていましたが、リノベーションによりそれを取り払い、新たに木製の平格子を造作しました。

 

建仁寺近くのリノベーション戸建物件の照明

外灯はよく使う鶴首のブラケットを選定。乳白の丸い照明が、建物と周囲をやわらかく照らします。

 

京都の建仁寺近くのリノベーション中古戸建物件の棚

窓の下のスペースには、オープン棚を設置しています。インテリアを飾ったり、本を収納できる余白の空間です。

 

建仁寺近くのリノベーション中古戸建物件の古建具

室内には、空間の用途や雰囲気に合う古建具をしつらえています。いつもお世話になっている京都の古建具店さんで選んだものです。

倉庫に所狭しとならぶ大量の古建具の中から、意匠や寸法が合うものをピックアップして外に運び出し、風合いや傷みなどを一枚一枚確認…という流れを繰り返し、時間をかけて選んでいます。

写真は寝室入口の古建具。寝室の落ち着いた雰囲気に合うよう、透かし彫りが入った帯付きの舞良戸を選んでいます。

 

建仁寺近くのリノベーション中古戸建物件の新設建具

新設の建具を設置することもありますが、かならず古建具や建物全体の雰囲気に調和する意匠で造作します。
写真はトイレの新設引き戸です。中央に縦桟を入れ、上部にガラスをはめ込みました。着色はせず、木本来の風合いをそのまま生かしています。

 

建仁寺近くのリノベーション中古戸建物件の眺望

前の道幅は狭いですが、向いの建物が道から後退して建築され、手入れも綺麗にされているため、それほど圧迫感がありません。

建物は京都の名所・寺社仏閣に囲まれたエリアに位置しています。
家を出てほんの少し歩くと、すぐに建仁寺に着きます。さらに足を延ばせば、花見小路、鴨川、八坂神社(円山公園)、高台寺などへ徒歩で行くことができます。

 

プロジェクト「建仁寺南の家」 リノベーションが完了しましたら、ウェブサイトにてお知らせいたします。

プロジェクト「哲学の道に面する京町家」②

哲学の道を目の前にのぞむ京町家のリノベーションプロジェクト「哲学の道に面する京町家」。設計士や工務店と現場打合せを行いました。

哲学の道に面する京町家/project

 

京都の哲学の道の京町家の窓哲学の道に面した大きな窓について、室内からの眺望、視線の抜け方、収まり、通風、開閉形態など、現場を訪れて再度確認しました。

眺望を優先するとFIX窓が最適ですが、開閉できないため閉塞感があります。一方、通常の引き違い窓は風通しの面では良いのですが、サッシにより視界が中央で分断される、窓が大きいため重量があり開閉しにくいのが難点です。
そのため、大きなFIX窓+片引き窓を設置することにしました。FIX窓で哲学の道の眺望を絵画のように切り取りながら、片引き窓で通気性も確保します。さらに、対面に引き違い窓を2枚設けて、風の通り道をつくります。

窓ガラスはプライバシーに配慮し、外から室内が見えにくいものを使用する予定です。

 

哲学の道に面する京町家こちらは、大きな窓がある部屋とは別の、哲学の道をのぞむ小さな洋室。
この部屋は眺望を生かして、もてなしの空間へとリノベーションします。

哲学の道の桜や紅葉をながめながら、友人をまねいてお茶を飲んだり、ご近所のかたと話をする、ここちよい時間を過ごせる空間をつくります。また、来客用の寝室として使うことも想定して、収納を設けるなど、機能性も考慮しています。

内部解体を終え、構造があらわになった現場を訪れて設計士や工務店と様々に意見交換をするなかで、より良い家にするため当初のリノベーションプランより間取りや仕上げが変更となることもあります。
この日は現場を訪れ、寝室の天井の仕上げを変更してはどうかという案が出ました。建物の構造や光の入り方などを再度確認し、仕上げを変えることに決定。それに伴い、寝室へとつづく廊下の天井も、雰囲気を調和させるために仕上げを別の仕様に変更。より落ち着きと風情のある京町家へリノベーションしていきます。

プロジェクト「建仁寺南の家」①

京都市の東山区、建仁寺のほど近くに佇む家のリノベーションプロジェクトを開始いたしました。

建仁寺南の家/project

建仁寺南の家は、建仁寺へふらりと散歩に行ける近さにたたずんでいます。
広い境内では、重要文化財に指定された建築物や美しい庭、美術作品をゆったりと鑑賞することができます。

建仁寺の海北友松の雲龍図襖堂内に展示された俵屋宗達の風神雷神図、海北友松の雲龍図。常設のため、いつでも名作をじっくり鑑賞することができます。

 

京都の建仁寺の潮音庭

 

京都の建仁寺の枯山水 大雄苑様々な角度から鑑賞することができる美しい禅庭。写真は四方正面の潮音庭、枯山水の大雄苑。

 

京都の建仁寺の双龍図2002年に建立800年を記念して法堂の天井に描かれた双龍図。圧巻の迫力です。

 

京都岡崎のリノベーション中古物件のDK

祇園や四条河原町などに近く、京都市内の中心部に位置する建仁寺南の家。街中にありながらも、家の中ではゆったりとした時間を過ごせるような空間へとリノベーションを行います。

写真(弊社リノベーション物件 岡崎の家2)ほど大きくはありませんが、本棚を造作する予定です。好きな時に本を手にとって、坪庭の緑を感じながら読書をする、くつろぎの時間が流れます。室内は木材や塗り壁で風情をもたせながら、現代的な生活機能もそなえた空間にしていきます。

本棚は本だけでなく、インテリアや美術品を飾る場所としても使っていただけます。また、他の場所にもスペースを活かして造作棚を設置します。祇園界隈をふらりと歩いて見つけた京都の工芸品や、お気に入りのインテリアを飾り、空間を演出する楽しみがあります。

また、増築により暗く閉塞感があるため、一部を減築して坪庭を再生。坪庭上部の屋根にはガラス瓦をつかい、庭塀は綾目張りにすることで、ふたたび光と風が入る家へとリノベーションします。

 

リノベーションの進捗状況は随時ウェブサイトに掲載していきます。

プロジェクト「哲学の道に面する京町家」①

リノベーションプロジェクト「哲学の道に面する京町家」を開始いたしました。
京都の左京区、桜並木や紅葉の名所で知られる哲学の道に面して立つ京町家を全面リノベーションします。

哲学の道に面する京町家/project

哲学の道の京町家から見た京都の眺望

 

このリノベーションプロジェクトでは、開口部のデザインに最もこだわっています。哲学の道に面した窓はもちろん、すべての窓から見える美しい景色をどう切り取るか、現地で何度も確認しながらプランニングを行っています。

写真は、哲学の道側とは別の窓から見た眺望です。広い空と落ちついた街並みが遠くまでつづき、視界をさえぎるものもなく、開放感のあるながめを楽しむことができます。

どのような開口部にすれば、この眺望を一番美しく切り取れるのか。キッチンに立ったとき、ダイニングチェアに座ったとき、リビングでくつろぐときなど、日常の様々なシーンを思い描きながら、窓の位置や寸法、開閉の方法など、細部にこだわり、開口部をデザインします。

新規プロジェクト「建仁寺の家」を掲載いたしました

新規プロジェクト「建仁寺南の家」を掲載いたしました。
建仁寺の近くに立つ家のリノベーションプロジェクトです。

プロジェクト 建仁寺南の家 詳細はこちら

 

京都の建仁寺

八坂神社、清水寺、高台寺など数多くの寺社仏閣が集積する京都市東山区に位置する建仁寺。1202年(建仁2年)建立という歴史を持ち、京都最古の禅寺として知られています。広い境内には文化財に指定されている建造物や、俵屋宗達の風神雷神図や海北友松の雲龍図などの美術作品を数多く所有しています。

「建仁寺南の家」は、建仁寺の近くに立つ木造住宅です。明治の記録がある建物で、建築当時のものと思われる古い柱や梁が残っています。
家の中は、増築により差し込む光が少なく、暗く閉鎖的な状態です。今回のリノベーションで庭をつくり、光と風が通る家へと再生します。外観は建物当時の姿をなるべく再生しながら、周りの建物と調和するように補修する予定です。

 

京都祇園の花見小路建仁寺は、祇園の花見小路のちょうど南端に位置しています。
花見小路は、北は三条通から南は建仁寺までつづく南北の通りです。特に四条通より南は、石畳が敷かれ、電柱が地中化された通りの両側にお茶屋や割烹が軒をつらねる、美しい景観がつづきます。祇園甲部歌舞練場の敷地内に立つ弥栄(やさか)会館では帝国ホテルの開業が予定されるなど、今後さらににぎわいが高まりそうなエリアです。

花見小路を北へ行くと四条通に出られます。四条通を東へ行くと八坂神社、西へ行くと京都南座、鴨川、京都随一の繁華街である四条河原町へとつづきます。

 

京都建仁寺近くの法観寺五重塔と八坂通

建仁寺の南を東西に通る、五重塔が見下ろす八坂通。
東山連峰を背にそびえたつ法観寺の五重塔は、八坂の塔の名で親しまれ、東山エリアのシンボル的な存在となっています。八坂通には老舗の料亭や割烹、話題のコーヒーショップなどが立ち並び、多くの人々がおとずれます。

京都らしい風情あるエリアと、繁華街の両方が徒歩圏内に広がる建仁寺南の家。プロジェクトの進捗状況を随時更新していきます。

 

新規プロジェクト「哲学の道に面する京町家」を掲載いたしました

新規プロジェクト「哲学の道に面する京町家」を開始いたしました。
京都の東、哲学の道に面してたつ一軒の京町家のリノベーションプロジェクトです。

プロジェクト 哲学の道に面する京町家 詳細はこちら

 

京都の哲学の道と緑

京都市の東に広がる左京区。五山の送り火で知られる大文字山等から成る東山連峰をのぞむ、緑ゆたかで閑静なエリアです。その麓には、銀閣寺参道の起点から若王子神社まで、哲学の道が南北に続いています。

 

左京区の哲学の道の桜
桜や新緑、紅葉の名所として知られる哲学の道。ゆったりと流れる琵琶湖疎水沿いに遊歩道が続き、その両岸には桜の木々が植わっています。
桜の木の一部は、哲学の道の近くに居をかまえた大正・昭和期の画家である橋本関雪と、夫人よねが寄贈したものが始まりと言われ、今も関雪桜の名で呼ばれ、多くの人々に親しまれています。

この京町家は、哲学の道に面して佇んでいます。琵琶湖疎水と桜の木々が織りなす美しい景色は、まさに借景といえる眺望です。

この眺めを生かして、哲学の道の景色を室内に取り込んだ京町家へとリノベーションします。

プロジェクト「御所西の京町家」リノベーションの様子

プロジェクト「御所西の京町家」のリノベーションが終盤に差し掛かりました。
プロジェクトページはこちらをご覧ください

 

京都御所の近くのリノベーション京町家の虫籠窓

京都のリノベーション京町家物件の寝室

2階、虫籠窓のある寝室。ファサードは元の意匠を再現したいという思いから、外壁シートに覆われ隠されていた虫籠窓を再生しました。内側に透明ガラスを設置し、格子越しに表の通りを眺めることができます。隣の引違い窓は元々低い位置に設置されていたので、安全性を考慮して木製のバーを取り付けました。梁など既存木部と同色に塗装することで、悪目立ちせず空間に馴染ませています。天井はいつものように梁を現した勾配天井で仕上げ、広さと明るさを感じられるようにしています。

 

京都のリノベーション京町家物件の寝室2階のもう一つの寝室。廊下を挟んで上記寝室の向かいに位置します。こちらも勾配天井で仕上げ、開放感のある空間にしています。2つの寝室の入口には同じ意匠の古建具を使い、統一感を持たせています。

完成まで今しばらくお待ちください。

プロジェクト「岡崎の家2」リノベーションの様子

プロジェクト「岡崎の家2」のリノベーションが間もなく完了します。
プロジェクトページはこちらをご覧ください

 

京都岡崎のリノベーション住宅の本棚美術館や音楽ホールが集積する文化ゾーン岡崎の街と調和するよう、家の中心に本棚を設けました。本だけでなく、アート作品やインテリアも飾れるディスプレイ棚をイメージしたグリッド棚です。背面には調光式の照明を設置しています。白く清潔感のある昼白色からオレンジ色の温かな電球色まで、色温度を調整することで空間の雰囲気が変わります。

 

京都岡崎のリノベーション中古戸建のLDK 京都岡崎のリノベーション中古物件の庭元々小ぶりな建物なので、LDKや寝室は凹凸の少ないシンプルな形状とし、極力広さを確保し、快適に過ごせるよう配慮しました。写真は小さな庭をのぞむLDK。廊下との間に木製ガラス戸を設け、LDKから庭を見た時に、奥のアルミサッシの無機質な印象がやわらぐようにしています。廊下とLDKの間に建具を設けずLDKを広げる案もありましたが、廊下があることによってかえって視覚的な奥行きが生まれ、小さく平坦な空間に緩急が付きました。

 

京都岡崎のリノベーション物件の寝室2階の寝室。LDK同様にシンプルな形状を意識しながら、開口や収納を確保しています。周囲が建て込んでおらず、窓の外に視線がぬけていくのが特徴です。

 

京都岡崎のリノベーション中古物件のドア 京都岡崎のリノベーション中古物件のリビング照明

完成まで今しばらくおまち下さい。

御所北の京町家 販売開始とオープンハウス開催のお知らせ

プロジェクト「御所北の京町家」のリノベーションが完了致しました。
販売開始に伴い、初のオープンハウスを開催致します。

御所北の京町家

プロジェクト「御所北の京町家」

■初のオープンハウス
4/6(土)・7(日) 14:00-16:00
※現地に駐車場はございません。公共交通機関や近隣のパーキングをご利用下さい。
※初回オープンハウス前のご内覧は承っておりません。何卒ご了承下さい。

ご来場をお待ちしております。

 

明治時代の登記記録が残る京町家を全面リノベーションしました。(2019年3月全面改装済)御所にほど近いということもあり、周囲には裏千家や同志社大学、皇室御用達の老舗店などが点在する、歴史あるエリアです。

最初にこの建物を見た時に強く印象に残った通り庭を再生することをコンセプトとし、リノベーションを行いました。
飛石は既存のものを洗い、通り庭に再配置しています。通り庭の奥は土間が増築されていて暗く閉鎖的でしたが、坪庭を作ることで、光と風が抜ける町家に戻しました。
建物の中に足を踏み入れると、通り庭が視線を奥へと導き、非日常感のあるながめが広がります。

 

坪庭側から通り庭を振り返って見て。
通り庭は単なる通路としてだけではなく、梁にピクチャーレールを設置し、小さなギャラリーとしても活用できるようにしています。ピクチャーレールの向かいに取り付けたスポットライトが作品を照らし、素材感のある塗り壁に作品が印象的に浮かび上がります。

通り庭の上部には、京和傘の老舗店「日吉屋」さんの和紙照明を設置しています。和傘の製造技術と伝統美を引き継ぐ趣きある照明が、通り庭の印象をより高めます。和紙は日本の伝統色である白茶色で、明かりを付けずとも素朴な美しさがあります。

 

室内は塗り壁や既存木部、古建具、タイル等、異なる素材感が調和しながら空間を彩ります。DK・奥の和室と通り庭の間には細かな桟の入ったガラス戸を設置し、室内にいながら通り庭の気配を感じられるようにしています。
DKには床暖房を設置し、京都の寒い冬も暖かく過ごせるよう配慮しています。

 

4/6(土)・7(日) 14:00-16:00
初のオープンハウス

皆様のご来場をお待ちしております。

 

 

新規プロジェクト「御所北の京町家」開始のお知らせ

新規プロジェクト【御所北の京町家】を開始いたしました。
プロジェクト【御所北の京町家】詳細はこちら

 

 

広大な敷地に豊かな緑と数多くの歴史的建造物を有する御所(京都御苑)。14世紀から明治初期まで内裏であった御所は、現在もなお京都の象徴的な存在として佇み続けています。現在はちょうど桜の見頃を迎え、多くの人々が御所内の散策を楽しんでいます。

御所の周辺はその歴史の深さをうかがわせるように広い通りに建物が並び、閑静な雰囲気が広がっています。大通りを一本入れば京町家が軒を連なる風情ある町並みが残されているのも特徴です。

 

【御所北の京町家】はそんな閑静なエリアをはしる広い通りに面した2階建の京町家です。

 

 

最初にこの町家に足を踏み入れた時、石敷きの通り庭が目に飛び込んできました。

通り庭とは、京町家を玄関から奥(坪庭)まで一直線にはしる細長い土間の事です。
手前側は主に商売に使う公的空間に、暖簾等で仕切られた奥側は炊事場等の私的空間として使われきました。奥側の上部には吹き抜けが広がり、高い位置に設けた窓で採光を確保します。隣家からのプライバシーの確保、吹き抜けによる延焼防止等の機能を持ちます。
また、細長く仄暗い土間の奥にぼんやりと浮かび上がる坪庭の緑、天窓からの光が壁や古い柱に描く柔らかな陰影など、日本的な美しさも備えた空間です。

しかし時代と共に、通り庭は床レベルを上げて居室に組み込まれ、あるいは水回りに改装され、次第に姿を消していきました。私達が扱う未改装の町家も通り庭が残されているものは非常に少なく、大半が居室の一部や洗面・浴室等に改装されています。

 

【御所北の京町家】は1階の手前側一面が広い土間に改装されていましたが、その奥に、石の敷かれた風情ある通り庭の一部が残されていました。通り庭の奥、元は坪庭であったと思われる場所は土間が打たれ、作業場の様な空間に改装されていました。

そこで、【御所北の京町家】プロジェクトでは、コンセプトを【通り庭の再生】とし、通り庭をかつての様に玄関側から奥まで一直線に通し、この町家の元の姿を再現します。また、坪庭を再生し、ふたたび光と風が通り抜ける京町家をつくります。

通り庭という余剰空間が、日々の暮らしに豊かさをもたらします。