建仁寺南の家 家具セッティング後の写真

祇園・花見小路のほど近くにたつリノベーション済京町家、建仁寺南の家。家具セッティング後の写真を掲載いたしました。

※本物件は商談中となっております。

建仁寺南の家

 

京都の祇園の南のリノベーション京町家物件のLDKと家具

京都の家具店knotさんに家具をセッティングしていただきました。
日本の建築と調和する、日本独自のデザインを取り入れた家具づくりをされています。

knot/京都

コンパクトな家のため、リビング・ダイニングセットとして、ソファ2脚とテーブルをご提案いただきました。

テーブルの繊細な曲線、ソファのやわらかなファブリックと端正なウッドフレームが、京町家にそっと馴染みます。

 

 

京都の家具 knot

祇園・花見小路南のリノベーション京町家のソファ

座り心地を追求してつくられたソファ。
とても座りやすく、いつまでも腰掛けてくつろぎたくなります。

造作本棚からお気に入りの本を手に取り、ソファに座ってゆったりと読書を楽しむ。
観光地にほど近いエリアにありながら、喧騒を忘れる静かな時間が流れます。

 

 

京都の祇園の南のリノベーション京町家物件の寝室

2階の寝室にはスツールを置きました。
リビングに配したり、玄関で靴を脱ぎ履きする時に腰掛けたりと、色々な使い方ができる家具です。控えめな佇まいがかわいらしく、2階の寝室に、照明とならべてディスプレイしています。

 

文豪が暮らした家 京町家カルテ取得

谷崎潤一郎が暮らした京町家、「文豪が暮らした家」の京町家カルテを取得いたしました。

文豪が暮らした家 物件掲載ページはこちら

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家

 

京町家カルテとは、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターが交付する、建物の由緒沿革、構造・意匠、所在地域の歴史などがまとめられた資料です。
京町家の情報を整理して記することで建物の価値を明らかにし、適切に維持・管理・継承されることを目的とし、交付には対象となる京町家の調査・審議を要します。

 

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の座敷

「文豪が暮らした家」は、通り庭沿いに縦に部屋が続く一般的な京町家とは異なり、広い間口に沿いに部屋がならぶ構成が特徴。
1階の中央に玄関間と2階への階段、浴室等の水回り棟を配することで、建物の西側が公・東側が私の空間として、明確に機能が分けられています。

そのため、水回り棟で東西に分断された庭も、西側の座敷からのぞむオクニワは灯篭や手水鉢、飛び石が配されているのに対し、東側のニワは松の木が植わる程度の簡素なものです。

また、東側には、通り土間状の炊事場の名残が見られ、大正末期-昭和初期の京町家の変遷がうかがえます。

 

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の和室

谷崎が執筆をしていたと思われる2階の10帖の座敷。この部屋のみ長押が廻されていることから、この家で最も格式高い空間ということがうかがえます。
他の部屋はところどころ手が加えられた様子が見えますが、この座敷は、建築当初の姿を色濃く残しています。

谷崎潤一郎が暮らした、上京区鶴山町の京町家。
お気軽にお問合せください。

 

文豪が暮らした家③

文豪、谷崎潤一郎が暮らした京町家のご紹介です。

前回はこちら

文豪が暮らした家 物件詳細はこちら

 

京都の谷崎潤一郎が暮らし京町家の玄関

 

平屋建部分の玄関を見て。
こちらの玄関は、前回の記事に掲載した2階建部分の玄関と比べると、現代的で明るい空間です。
広さに余裕があり、下駄箱や傘立てを置くスペースも十分あります。

玄関の正面はキッチン、右手は小さな和室です。買い物から帰ってきて食料をしまうことを考えると、動線的にはこちらの玄関の方が日常の使い勝手が良さそうです。

 

京都の谷崎潤一郎が暮らした京町家の和室と板間玄関に入って右手の、小さな和室。
宅配の受け取りや、ご近所の方が訪ねてこられた時の対応など、玄関でのちょっとした用事に便利です。

隣接する洋室とはスリガラスの入った建具で仕切られているので、プライベートな空間を隠すことができます。

 

 

 

京都の谷崎潤一郎が暮らし京町家の洋室キッチン、和室と隣接する洋室。ダイニングに適した部屋です。

部屋からは坪庭をのぞみ、南からの明るい光が舞い込みます。
坪庭をながめながら食事をしたりお茶を楽しむ、ゆとりの時間が叶います。
この部屋だけでもダイニングとして使えますが、より広いダイニングがお好きな方や、ご家族が多い方は、隣の和室3畳+板間をあわせて、広い洋室にリノベーションしても良いかもしれません。

部屋数が多く、またそれぞれの部屋に個性がある、鶴山町の京町家。

元々この町家が持つ風情を引き継いで現状の間取りのまま住む、
好みの生活スタイルに合わせて思いきってリノベーションする、
一部をそのまま残しつつも現代の生活様式に適した家にする。

谷崎が住んだこの家でどのように暮らそうか、想像がふくらみます。

 

 

文豪が暮らした家②

文豪、谷崎潤一郎が暮らした京町家の詳細について。

前回はこちら

文豪が暮らした家 物件詳細はこちら

 

谷崎潤一郎が暮らした京町家

この家を訪れると、まずその悠々とした姿が目を引きます。

京町家と言うと、間口が狭く奥行きが長い、いわゆるウナギの寝床が多いですが、この家は京町家にはめずらしく、間口がとても広いのが特徴。
間口(正面)が約16m、奥行が約9mと、非常にゆとりがあります。

建物は築不詳ですが、資料に大正11年8月の記録が残されています。
刻んできた歴史を感じさせる、ゆったりとした佇まいです。

 

谷崎潤一郎が暮らした京町家の玄関

玄関は趣のある銅板葺きの庇と、木製のガラス戸が印象的です。
こちらは来客を迎える入口、勝手口は家族用の入口と、使い分けても良いかもしれません。

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の玄関

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の玄関

ガラス戸を引いて家の中に足を踏み入れると、静けさに満ちた玄関がむかえてくれます。現代の住宅では少なくなった、土間に沓脱石が置かれた風情ある空間です。
玄関のガラス戸が光を透過し、土間にほのかな明かりを落とします。

玄関の正面には階段のある和室があり、その右手に座敷、左手に和室+板間が配されています。

 

谷崎潤一郎が暮らした上京区の京町家の和室と板間
1階の和室3畳+板間。中央の2枚にのみ透明ガラスが入った障子が印象的な部屋です。障子のむこうには縁側、その奥に坪庭があります。
坪庭からの光が障子をぼんやりと浮かび上がらせ、絵画のような雰囲気を醸しています。

左手は、キッチンと隣接する洋室。建具を取り払い、この部屋と洋室を合わせて、広々としたダイニングとしてもお使いいただけます。

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の座敷

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の座敷1階の奥の座敷8畳を見て。4枚の雪見障子から、縁側越しに坪庭をのぞみます。
障子の上げ下げや開閉によって、坪庭の見え方や光の入り方が変わります。

障子を開ければ、太陽の明るい光が差し込み、坪庭がよく見え、雪見障子を上げると、光はやわらかくなり、ガラス越しに緑や灯篭が垣間見ます。
落ち着いた空間なので、居間、あるいは客間に。

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の手水鉢

大きな手水鉢、飛び石の先にたたずむ灯篭、みずみずしい苔が美しい坪庭。
所有者様のお話によると、坪庭は谷崎が暮らした当時からほぼ変わらぬ姿を維持しているとのこと。

谷崎は2階を間借りしていましたが、食事は1階の大家さんのテーブルでとっていました。大家さんはとても良い方で、「2階だけでなく、食事の時は1階の台所も座敷もどうぞお使いください」と谷崎に話されたそうです。

谷崎も、食事をしながら、あるいはくつろぎながら、この坪庭をながめたのかもしれません。

 

 

文豪が暮らした家①

新規物件「文豪が暮らした家」を掲載いたしました。
明治末期~昭和中期に執筆を続けた文豪、谷崎潤一郎が暮らした京町家です。

文豪が暮らした家

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家場所は、京都御所の北、相国寺の東、賀茂川の西と、名所に囲まれた上京区の市街地。
寺町通に面した角地にたつ京町家です。

生涯で40回以上も転居を繰り返した谷崎。
そのうち、昭和21年の5月から11月までの約半年間は、この鶴山町の町家の2階を間借りして暮らしていました。

 

谷崎潤一郎が暮らした京都の町家の和室
2階の和室10畳を見て。

谷崎は2階を間借りして、松子夫人ら家族とともに暮らしていたと言われています。
当時の大家さんの娘様が、大家さんからお聞きになったお話によると、谷崎は2階の小さな机で執筆し、1階の大家さんのテーブルで食事をとったとのこと。

谷崎らが転居した後は、松子夫人の妹である重子とその夫がこの家で暮らしました。
松子夫人、重子はともに、谷崎の代表作「細雪」に登場する四姉妹のモデルとなった人物です。

鶴山町から転居した翌年の昭和22年の夏に、谷崎がこの家に遊びにきたそうです。

 

谷崎潤一郎が暮らした京町家の和室

現代の住宅では見かけることが少なくなった、広い和室。
北側に大きく開けた窓から、自然光がさんさんと射し込んでいます。広い道に面した角地ならではの明るさです。

ガラス戸の向こうは縁側です。南側が隣地の駐車スペースのため、建物が近接しておらず、南からの光が室内にとどきます。

撮影日は晴天だったため、十分な自然光が舞い込み、照明をつけなくても明るさに満ちていました。

 

 

御所西の京町家 リノベーション詳細①

御所(京都御苑)の西。
明治時代の記録が残る京町家を全面リノベーションしました。(2020年6月全面リノベーション済)

御所西の京町家 物件詳細はこちら

御所西のリノベーション京町家の茶室
■予約制オープンハウス開催
この度、コロナウイルス感染拡大防止のため、オープンハウスを「予約制・一組様ずつのご案内」とさせていただきます。ご不便をおかけしますが、皆様のご安全の確保とウイルス感染拡大防止のため、ご理解のほどお願い申し上げます。
※オープンハウス前のご案内は承っておりません。
※商談中となった場合はご内覧をお断りさせていただきます。

■開催日時
7/5(日)13:00-17:00
ご内覧時間は下記①~⑧の通り、一組様につき30分間とさせていただきます。

①13:00-13:30 ②13:30-14:00 ③14:00-14:30 ④14:30-15:00 ⑤15:00-15:30 ⑥15:30-16:00 ⑦16:00-16:30 ⑧16:30-17:00

「お問合せフォーム」の「お問合せ内容」に【ご希望の時間帯(上記①~⑧のいずれか)】をご記入のうえ、ご連絡下さい。
弊社からの返信をもってご予約完了とさせていただきます。

お問合せフォームはこちら

※弊社「@miyako-es.jp」からのメールが受信できるよう、ドメイン指定受信設定をお願い致します。
※他のお客様との日程調整の関係上、ご希望の日時にご案内できない場合もございます。ご了承ください。
※駐車場はございません。近隣のコインパーキングや公共交通機関をご利用ください。

 

御所西の京町家の茶室
御所西のリノベーション京町家の炉家の一番奥に位置する和室を見て。電熱式の炉を切り、吊り床をもうけ、簡易な茶室としても使える部屋です。
照明の光を抑え、竿縁天井を古色で仕上げることで、坪庭の明るさを強調しつつ落ち着いた空間にしています。六角形の照明は、八坂神社の近くにある老舗店、三浦照明さんのものを選びました。

 

御所西のリノベーション京町家物件の京からかみ茶室とLDKの間仕切りは、京からかみ丸二さんに作成していただいた襖をしつらえました。文様は箔を切って貼り桐を表現した切箔桐、刷り色は雲母(キラ)としています。親しみやすさの中にも格式高さがあり、またデフォルメされた桐がどこか現代的な印象を与える文様です。
襖の面積が大きいため、原紙、刷り色、縁、引手を全て淡い色にすることで、圧迫感をなくし、茶室にもLDKにもなじむようにしました。
写真左に写るのは洗面脱衣室の入口です。空間の趣をそこなわないよう古建具を使用しています。

 

京都御所の近くのリノベーション町家物件のLDK

LDKをダイニング・キッチン側から見て。既存梁や古い柱など元々この京町家が持つ趣を残しながら、現代の生活様式に合う空間にしています。
床は端正な木目が美しく肌触りの良いナラを使用。キッチンの足元、ダイニング、リビングに床暖房を設置しているので、一年中心地よく過ごしていただけます。
キッチンはIHコンロ、食洗機、水切り棚の付いた使いやすい仕様です。石調の風合いの扉を選び、周囲の塗り壁や古い木部と調和するようにしました。
ダイニング背面には収納を2つ設け、片方に可動棚を設置しました。こまごました物、掃除機など背の高い物など、収納物の大きさに合わせて使い分けることができます。

 

 

京都御所近くのリノベーション京町家の廊下2階の廊下を見て。左右が居室、正面がトイレの入口です。居室の入口はある程度デザイン性があり、かつ意匠を合わせて統一感を出したいと考え、何度も古建具店に足を運ぶ中で、ちょうど良い4枚組の建具に出会いました。
上部は細かい桟が視線を遮りプライバシーを守り、下部は透かし彫りの帯が印象的な木製建具です。
トイレの入口にも古建具を使用。両側の建具を邪魔しないよう極力シンプルなものを選んでいます。

 

【二軒ならびの京町家 西棟・東棟】初のオープンハウスのお知らせ


全面リノベーション済京町家【二軒ならびの京町家 西棟・東棟】を新規掲載いたしました。

■初のオープンハウス 西棟・東棟 2軒同時開催
3/2(土)・3(日) 13:00-16:00

二軒ならびの京町家 西棟・東棟(2019年2月全面リノベーション済)
西棟 物件詳細はこちらから
東棟 物件詳細はこちらから

どうぞお気軽にお越しください。

 

閑静な住宅街に、大正時代の記録が残る3連棟の京町家が残されています。今回、そのうち東端と中央の二軒の京町家をリノベーションしました。

外観は京都の町並みの保全再生のため、二軒とも漆喰壁や木製平格子など京町家本来の意匠を再現しています。内装は元々この建物の持つ町家の趣を残しつつ、二軒それぞれ異なるテイストでリノベーションしています。

 

西棟の京町家は、現代の生活スタイルを取り入れたモダンなテイストです。

LDKの中心にフラットに並ぶ造作テーブルとキッチンが特徴です。
シャープなステンレス製の天板とIHコンロ、薄型のレンジフード、インダストリアルなダクト、スワン型の水栓など、機能性を確保しつつ細部まで美しさにこだわり設計されているため、キッチン周りの設備全体が家具のように町家の空間と調和します。

織屋建特有の吹き抜けの真下に位置するリビングは、DKより床レベルを下げることで吹き抜けの開放感を強調しています。
キッチン・ダイニング・リビングにそれぞれ床暖房を設置しているので、京都の寒い冬も暖かく過ごせます。

2階は寝室2室で構成されています。
既存建物の改修という制約の中で、元の構造を無理に変えることなくリノベーションしています。

そのため、北側の寝室の天井高が低くなっていますが、勾配天井で開放感を生み出す、空きスペースにウォークインクローゼットを設けるなど、限られた空間でも心地良く暮らせるよう配慮しています。
南側の寝室は、吹き抜けに面して開口を二か所設けた明るい空間です。小窓から階下のリビングと坪庭を見下ろす眺めは、織屋建京町家ならではの魅力です。

 

東棟は京町家本来の風情を色濃く残したリノベーションを行っています。

通り庭の趣を保つため、玄関から建物の奥まで続く細長い空間を残し、居室より床レベルを一段下げています。また、通り庭に沿って居室が縦に連なる京町家本来の間取りを意識し、居室を一直線に並べて視線を奥へ誘導することで、空間に奥行を生み出しています。

建具を極力取り払うことで、天窓や坪庭からの自然光を室内に行き渡らせるとともに、空間をより伸びやかに見せています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2階北側の寝室の様子です。西棟と同様に天井高が低いですが、こちらも既存建物のポテンシャルを最大限に生かして改修しています。

寝室奥には、元々物置として使われていたと思われる木置きと呼ばれる空間を生かし、小さな書斎とウォークインクローゼットを造りました。書斎のカウンターテーブル前の小窓からは階下を見下ろします。コンパクトな空間でありながらダイナミックな眺めを楽しむことができる遊び心のある空間です。

3/2(土)・3(日) 13:00-16:00
初のオープンハウスにどうぞお気軽にお越しください。

 

 

 

「丸窓の京町家」リノベーションの様子

先日ブログにてご紹介した明治築の京町家に続き、「丸窓のある京町家」の改装が終盤に差し掛かりました。

既存の丸窓をそのまま残し、隣り合う寝室(和室)と書斎(洋室)へと改装しています。
前道の幅員が広いため、丸窓には透明ガラスをはめ込み豊かな採光と眺望を確保しています。丸窓の内側には引分けの障子を設置していますが、障子を閉めても丸窓のシルエットが美しく浮かび上がり、その風情を楽しむことができます。

丸窓の横、書斎側には大きなコーナー窓があり、広い前道へと視線が抜けるすがすがしい空間です。収納横の壁面には書斎として使えるよう小さなカウンターテーブルと棚を設けていますが、窓前に愛用の書斎机と椅子を置いて、窓の外に広がる開放感を楽しみながら作業をするのも良いかもしれません。

 

こちらは玄関間の様子。表の通りに面した窓から格子越しに柔らかい光が射し込みます。

地袋には、いつもお世話になっている「京からかみ 丸二」さんの唐紙をあしらっています。
唐紙は原紙・摺り色・紋様の組み合わせ方が無数にあり、どういった組み合わせを選ぶべきかいつも頭を悩ませるのですが、楽しい作業でもあります。毎回、建物や所在地の歴史、部屋の使用用途、建物全体の雰囲気など様々な要素を考慮して選定しています。
この町家では、周囲の壁と馴染む唐氏色の原紙に、格式高い利休大桐の紋様をあしらいました。摺り色はキラとし、紋様の印象の強さを残しつつ上品に仕上げています。

 

玄関間にしつらえた古建具。この町家は既存の古建具がほとんど残されていなかったため、古建具店で新たに選定したものも併せて設置しています。柱と梁で構成される京町家は建具が部屋の印象を大きく左右するため、デザイン性に富み、かつ建物の風情を損なわないような上品な建具を選ぶようにしています。特に、写真の様に細かな桟があしらわれた建具は、桟の隙間から隣接する空間が僅かに覗くことで、空間に奥行と立体感が生まれます。

 

間もなく完成となります。販売開始まで今しばらくお待ち下さい。

※誠に恐れいりますが販売前の物件詳細についてのお問い合わせにはお答えしておりません。何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

「明治時代の京町家」リノベーションの様子

 

昨年から改装を行っていた京町家がようやく工事完了を迎えます。

正確な築年数は不明ですが、明治時代に建てられたと思われる2階建の京町家です。落ち着いた通りに面しており、室内は十分な広さがあります。縦にミセノマ・中の間・ダイドコ・座敷の4室が並び、その奥に坪庭を構える典型的な京町家の間取りを有していました。

この町家の持つ趣を生かすため、縦に居室が並ぶ間取りをそのまま残して改装しています。天井は既存の大和天井・竿縁天井ともに比較的状態が良く、幅広で質の良い天井板が使われていたため、最低限の修復のみ行い、年数を経た材にしか出せない艶や質感を生かしています。

座敷の既存の床柱は、現代では希少な赤松をそのまま利用。元は床柱に食い込むように造作棚が設置されていましたが、造作棚を撤去し、古材と竹を使ったシンプルな吊り棚をつくりました。

ダイドコには元々この場所に残されていた小さな箱階段を設えています。箱階段も建物と同じく明治のものと思われるため、経年変化による劣化がありましたが、丁寧に解体・修復して再生しました。一応箱階段から2階へ上がることも可能ですが、勾配が非常に急で踏面も狭いため、この家の歴史を感じられるインテリア的な要素としてディスプレイしています。垂れ壁の後ろにスポットライトを仕込み、箱階段を印象的に照らすよう工夫しています。

 

2階の居室から階段を見下ろしたところ。
階段部分は京町家の火袋を模した吹き抜けの空間にしています。天窓を設け、暗くなりがちな町家の中央部分に光を落としています。階段横の壁は既存の柱をあらわし、既存の壁の凹凸をそのまま残した上で修復しています。天窓からの柔らかい光が凹凸に描く陰影は、時間や陽の入り方によって刻々と変化し、一日中眺めていても飽きることがありません。

 

2階の階段奥には小さなテラスのような余剰空間を設けています。
当初は居室にする予定でしたが、火袋(吹き抜け)の趣を残すために壁を造らず、手摺越しに階下を見下ろす遊び心のあるスペースにしています。背面には既存窓をそのまま残しているため、光が射し込む明るい空間です。

これから畳や古建具、唐紙襖が入り、改装完了となります。
完成まで今しばらくお待ちください。

※誠に恐れ入りますが、販売前の物件詳細等についてのお問い合わせにはお答えしておりません。何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

光悦桐の京からかみ

販売中の全面リノベーション済京町家「蘆山寺(ろざんじ)通の角町家」の
地袋に京からかみをしつらえました。

蘆山寺(ろざんじ)通の角町家 詳細はこちら

 

京町家の地袋と唐紙小さな和室に造り付けた地袋。
赤味の強いケヤキの地袋と調和するよう、畳や塗壁に似た淡い黄緑がかった色を選んでいます。
京唐紙は弊社の他のリノベーション京町家でも何度か使わせていただいている老舗唐紙企業「京からかみ 丸二」さんのものです。
一枚一枚、熟練の技により手摺りで作られた唐紙です。

天井に仕込んだスポットライトが地袋と唐紙をぼんやりと浮かび上がらせています。

 

京都の京唐紙唐紙の文様は「光悦桐」。

桐は昔から格式高い文様として公家や茶人に好まれ使われてきましたが、
この光悦桐は装飾性が高くユーモラスにデフォルメされており、町人の間で広く愛されてきました。上品な中にどこかかわいらしさを感じるデザインです。

光悦桐は江戸時代に作られたと言われる文様ですが、現代でも全く古さを感じさせないのが、京からかみの不思議な魅力です。