Overview about this real estate
坪庭部分に水回りが増築され暗く閉鎖的だった京町家。リノベーションにより増築部分を取り壊して新たに坪庭をつくることで、ふたたび光と風の通る町家に再生しました。
Point about this real estate
上京区の京町家。
きりり、一文字瓦
京町家の端正な表情をつくる一文字瓦(いちもんじがわら)。漢数字の一に形が似ていることが名の由来です。一文字瓦の面を水平に合わせるには技量を要します。長年京町家の改修に携わってきた職人ならではの仕上げです。
季節のものをしつらえて
玄関の小さなギャラリースペース。金屏風調の壁に飾り棚を設け、老舗旅館のような風情ある空間に。飾り棚には完成時の季節に合わせて京団扇の老舗店「饗庭うちわ」の透かし団扇を飾りつけました。
光と風を取り戻す。
減築により坪庭を再生する
元々坪庭があった場所に増築されており光と風が入らない暗い町家でしたが、増築部分を取り壊し坪庭を取り戻すことでふたたび光と風が舞い込む町家へ再生しました。減築により延床面積は減りますが、それより朝目覚めた時に部屋に射し込む光、窓を開けると通り抜ける風、日常を過ごす中でふと目に入る緑など、坪庭があることで得られるものが日々の暮らしをより豊かにします。縁側には畳を敷きリビングの一部とすることで空間に変化と広がりを持たせています。縁側の収納の襖は「光琳松」紋様の手摺りの京唐紙。デフォルメされた松の木たちが寄り添いひそひそと話しているかのようなユーモラスな紋様です。手摺りならではの凹凸が独特の風合いを生んでいます。