Overview about this real estate
京都御苑の西、静謐の通りに佇む小さな京町家のリノベーションプロジェクトです。
御所西(ごしょにし)と呼ばれる一体の地域は、数多くの寺社仏閣、御所御用達の老舗店、茶道三千家の宗家、京町家等が集積する、歴史文化が息づく地域です。「御所西の京町家」の周囲にも京町家が軒を連ね、かつての京都の町並みを今に残しています。
小さな建物ですが、限られた空間の中で、既存の意匠や古材の味わいと、現代的な暮らしやすさが調和した町家になるようリノベーションを行います。
美しい町並みの構成要素となるファサードは、古い格子を同じ意匠で再生、タイル調シートで覆われた虫籠窓を現し修復して、この京町家の昔の姿を再現します。室内は、普段はリビングとして使える簡易な茶室をもうけ、古建具やからかみ襖を使い、京町家の趣と現代の生活機能を両立させます。
Point about this real estate
かつての佇まいを
再生する。
壁の下に隠されていた虫籠窓を修復する
リノベーションのため壁を取り払うと虫籠窓が現れたため、設計を変更し、修復再生することにしました。虫籠窓は外観の美しさだけでなく、室内側から見た時に大きなインテリアの様に空間のアクセントになります。
Point about this real estate
随所に趣を
ちりばめて。
くつろぎをもたらす茶室
炉を切り、雪見障子から坪庭を眺める簡易な茶室。普段はリビングや畳スペースとして使えるシンプルな空間です。坪庭から差し込む陽と照明のやわらかな光が、塗壁の質感を浮かび上がらせています。
切箔桐の京からかみが溶け込む
茶室の入口には、切箔桐文様の京からかみの襖を使用。原紙、摺り色、縁、引手をすべて淡い色でまとめ、主張しすぎず、空間にそっと溶け込むように仕上げています。
虫籠窓から外の景色をのぞむ
外壁シートに覆われていた虫籠窓を再生した2階の洋室。虫籠窓には透明ガラスをはめ込み、格子越しに外の景色を見られるようにしています。梁や舞良戸の古色が空間をぐっと引き締めています。
揃いの建具が統一感をもたらす
廊下を見て。向かい合う2つの居室の入口には、透かし彫りの帯が印象的な揃いの古建具を使い、統一感を持たせています。