Overview about this real estate
京都御所(京都御苑)の西、明治時代の記録が残る京町家を全面リノベーションしました。
炉を切り、雪見障子から坪庭をのぞむ簡易な茶室が、日常の中に静謐のひとときをもたらす京町家。茶室の手前に位置するLDKは、フローリングや床暖房など現代の生活に適した仕様を採用しつつ、既存梁を現した大和天井や古い柱の風合いを大切に残しています。
外観は、当時の面影を再生するかたちでリノベーションを行っています。外壁を覆っていたタイル調のシートを取り払い、隠れていた虫籠窓を再生して、かつての佇まいを再現しました。
Point about this real estate
静謐の
茶室。
日常に変化をもたらす小さな茶室
雪見障子から坪庭をのぞむ簡易な茶室。炉を切り、お茶を点てられるようにしています。普段はリビングや、くつろぎの畳スペースとして使うこともできる空間です。竿縁天井から釣り下がる六角の照明は、祇園にある老舗店三浦照明さんのものを選定。照明や坪庭からの光が、塗り壁の質感をやわらかく浮かび上がらせています。
切箔桐の襖/京からかみ 丸二
茶室とLDKを仕切るのは、京都の老舗企業の京からかみ襖です。箔を切って桐を表現した切箔桐という文様を選んでいます。デフォルメされた桐は伝統的でありながらどこか現代的な印象を与え、茶室側とLDK側のどちらから見ても違和感がありません。原紙、刷り色、縁、引手を全て淡い色でまとめて、襖が主張しすぎないようにしています。光を受けて雲母が控えめに輝き、見る角度によって表情を変える様が、空間の質を高めています。
京からかみ丸二
Point about this real estate
古いものの
味わいを残して。
京町家の趣と現代的な仕様が調和する
茶室の手前に位置するLDK。既存の小梁を現した大和天井や古い柱の質感に、長い年月を経た木材にしかない味わいを感じます。床には、肌触りがよく、端正な木目が美しいナラのフローリングを使用。キッチンの足元、ダイニング、リビングに床暖房を設置しているので、一年中快適に過ごせます。キッチン横には腰高の造作棚を設置し、家電等を置けるようにしています。
Point about this real estate
当時の姿を
再生する。
虫籠窓を再生した洋室
2階の虫籠窓のある洋室。勾配天井で仕上げ、天井高を取り明るい空間にしています。引き違い窓の手前には安全のため木製の手すりを設置。梁や古建具と同じ古色に塗装し、空間に馴染むようにしています。
格子越しに景色をのぞむ
外壁シートに覆われていた虫籠窓を再生しました。虫籠窓の手前には透明ガラスをはめ込み、格子越しに京町家がならぶ家並みや行き交う人々をのぞみます。
Point about this real estate
かつての家並みを
今に伝える。
外壁シートを取り払い再生した佇まい
外壁は元々タイル調のシートに覆われていましたが、リノベーションにより取り払い、隠れていた虫籠窓を復元しました。エアコンの室外機は木の囲いで覆い、景観を損なわないようにしています。
官休庵
「御所西の京町家」の近くに位置する、三千家のひとつ武者小路千家の官休庵。御所の周辺には茶道の家元や茶道具を扱う老舗が多く、この土地と茶道との関係の深さがうかがえます。
京都御苑
京都御苑は、広大な敷地内に歴史ある建築が立ち並び、桜や新緑、紅葉も美しく、国内外から多くの人が訪れます。京都三大祭のうち、葵祭と時代祭の行列の出発点としても知られています。(写真は過去に撮影した葵祭の様子)
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御所西の
京町家。