Overview about this real estate
京都の名所に囲まれた場所にたたずむ京町家。
明治末期-昭和中期の文豪、谷崎潤一郎が暮らした家です。
生涯で40回以上もの転居を繰り返した谷崎ですが、そのうち昭和21年5月から11月までの半年間、ここ上京区鶴山町の京町家の2階を間借りし、家族らとともに暮らしていました。
谷崎は、2階の部屋にある小さな机で執筆し、1階のテーブルで食事をとったそうです。またこの家で生活していた時期に、代表作「細雪」の中巻を執筆していたと言われています。
資料に大正11年の記録が残るこの家は、鰻の寝床と呼ばれる奥行が長い典型的な京町家とは異なり、間口が非常に広く、その歴史を感じる悠々とした姿が目を引きます。
ガラス戸を引いて中に足を踏み入れると、土間に沓脱石が置かれた静謐の玄関が迎えてくれます。その先にある長い縁側の向こうには、谷崎が暮らした当時から変わらぬ姿を残す坪庭をのぞみます。
Point about this real estate
文豪の
暮らしをたどる。
谷崎の暮らしに思いを馳せる
2階の和室を見て。床の間や平書院をそなえた、端正な雰囲気を持つ空間です。谷崎はこの家の2階を間借りしていたので、この和室の小さな机で執筆していたかもしれません。
床の間、書院、竿縁天井が普遍的な美を生み出す
床を正面に見て。床の間、天袋と地袋のある床脇、平書院が、時を経ても変わらぬ美しさを醸しています。北向きに大きく取られた窓からは光が差し込み、広い道路の角地に面する家ならではの明るさが室内を満たします。
Point about this real estate
陰影が美しい
大正時代の京町家。
静謐の玄関が来客を迎える
玄関を見て。間口の広い土間に沓脱石が置かれた風情ある空間です。ガラスの玄関建具が外からの光をやわらかく透過し、土間にほのかな明かりを落とします。
印象的なガラス戸が絵画のように浮かびあがる
中央の2枚にのみ透明ガラスが使われた建具が、絵画のような印象を醸す空間です。2枚のガラスの向こうには、縁側越しに坪庭のみどりの気配を感じます。
雪見障子のむこうに坪庭をのぞむ
雪見障子のある和室。雪見障子の向こうに坪庭をのぞみます。
Point about this real estate
悠々とした佇まいが
目を引く。
悠々と佇む京町家
建物は、資料に大正11年の記録が残る京町家。間口が非常に広く、その悠々とした佇まいが目を引きます。