新規プロジェクト「御所北の京町家」開始のお知らせ

新規プロジェクト【御所北の京町家】を開始いたしました。
プロジェクト【御所北の京町家】詳細はこちら

 

 

広大な敷地に豊かな緑と数多くの歴史的建造物を有する御所(京都御苑)。14世紀から明治初期まで内裏であった御所は、現在もなお京都の象徴的な存在として佇み続けています。現在はちょうど桜の見頃を迎え、多くの人々が御所内の散策を楽しんでいます。

御所の周辺はその歴史の深さをうかがわせるように広い通りに建物が並び、閑静な雰囲気が広がっています。大通りを一本入れば京町家が軒を連なる風情ある町並みが残されているのも特徴です。

 

【御所北の京町家】はそんな閑静なエリアをはしる広い通りに面した2階建の京町家です。

 

 

最初にこの町家に足を踏み入れた時、石敷きの通り庭が目に飛び込んできました。

通り庭とは、京町家を玄関から奥(坪庭)まで一直線にはしる細長い土間の事です。
手前側は主に商売に使う公的空間に、暖簾等で仕切られた奥側は炊事場等の私的空間として使われきました。奥側の上部には吹き抜けが広がり、高い位置に設けた窓で採光を確保します。隣家からのプライバシーの確保、吹き抜けによる延焼防止等の機能を持ちます。
また、細長く仄暗い土間の奥にぼんやりと浮かび上がる坪庭の緑、天窓からの光が壁や古い柱に描く柔らかな陰影など、日本的な美しさも備えた空間です。

しかし時代と共に、通り庭は床レベルを上げて居室に組み込まれ、あるいは水回りに改装され、次第に姿を消していきました。私達が扱う未改装の町家も通り庭が残されているものは非常に少なく、大半が居室の一部や洗面・浴室等に改装されています。

 

【御所北の京町家】は1階の手前側一面が広い土間に改装されていましたが、その奥に、石の敷かれた風情ある通り庭の一部が残されていました。通り庭の奥、元は坪庭であったと思われる場所は土間が打たれ、作業場の様な空間に改装されていました。

そこで、【御所北の京町家】プロジェクトでは、コンセプトを【通り庭の再生】とし、通り庭をかつての様に玄関側から奥まで一直線に通し、この町家の元の姿を再現します。また、坪庭を再生し、ふたたび光と風が通り抜ける京町家をつくります。

通り庭という余剰空間が、日々の暮らしに豊かさをもたらします。

平成29年度「京都景観賞 建築部門 市長賞」受賞のおしらせ

この度、弊社の宿泊施設「三条しらかわ小路」が平成29年度京都景観賞
建築部門の市長賞を受賞致しました。

平成29年度京都景観賞建築部門 受賞作品

?三条しらかわ小路

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祇園へと流れる白川沿いを三条通から少し下がり、一筋目を東に入ったところに位置する新築の京町家風宿泊施設。付近には北に平安神宮、東には青蓮院門跡、知恩院が建つ、閑静な住宅街に位置します。

敷地が変形地かつ間口が狭く奥行が長いため厳しい建築条件ではありましたが、敷地形状を生かして、京都の路地に町家が建ち並ぶ長屋空間の構成を取り入れ、石畳敷の路地を整備し、4軒の連棟建物を新築しました。

表の通りに面した木製の格子戸の門をくぐると、石畳を敷いたアプローチに4軒の建物が並びます。各棟ともに漆喰塗の外壁、出格子、鎧張の腰壁など、京町家の意匠をできるだけ取り入れました。

近隣の方々からは「懐かしいね。私らが子供の頃はこういう路地に町家が並んでて…」「昔からここに建ってたみたいやわ」とお声がけいただき、京都の古き良き町並みである路地の風景を思い起こさせる建物となりました。

また、北側に隣接する公園の管理者である京都市と協議し、公園との境界のブロック塀の上に設置されていた金属製の柵を撤去し、代わりに和瓦を設置して、公園側からの景観にも配慮しました。

栄えある市長賞を頂き、大変光栄に感じております。
これも日頃からご愛顧いただいているお客様や、関係者の方々のご尽力によるものと感謝しております。

京都で不動産業を営むものとして、京町家は京都の美しい町並みを形成する重要な要素であるという思いから、町家の保全・改修を手がけて参りました。

今後も微力ながら京都の景観形成に寄与できればと考えております。