地下鉄の北大路駅より徒歩13分、堀川北山近くの閑静な住宅街の中。
三つの異なる種類の床の間が残る京町家物件です。
三つの床の間にくわえ、この京町家のもうひとつの特徴は、町家本来の空間構成が残っている点です。
建物内部は、トオリニワと呼ばれる直線の土間に沿って3室が一列に並んでいます。京町家で最もよく見られる、一列三室型の空間構成です。
建物の奥までまっすぐはしるトオリニワに、リノベーションの想像がふくらみます。
たとえばトオリニワを残してリノベーションするなら、石畳を敷いて、町家全体の雰囲気を高める空間に。坪庭に面する建具をガラス入りにすれば、差し込む光と緑が見え、視線が奥へ導かれます。
ピクチャーレールとスポットライトを設置して、プライベートなギャラリーにしてみるのも良いかもしれません。
トオリニワと平行にならぶ室。各室やトオリニワの間はガラス入りの古建具や襖でゆるやかに仕切られ、空間のつながりや奥行きを感じられるつくりになっています。
一列三室型をそのままにリノベーションすれば、京町家本来の趣を感じられる家になります。
建具で空間の雰囲気が大きく変わるため、この町家に残る古建具を補修して使う、古建具店で新たに見つけた建具をしつらえる、唐紙襖で風情をそえるなど、建具を選んだり、あるいは季節ごとに建具を取り替える楽しみがあります。
一列三室型の面影を残しながら、もう少し伸びやかに暮らしたい場合は、ダイドコと座敷を仕切る建具を取り払ってみては。この京町家の元々の趣がありながら、開放感のある現代的な生活が送れます。
1階の座敷が面する縁側。外と内をゆるやかにつなぐ、緩衝材のような空間です。縁側という余白が奥行きを生みだし、空間全体のゆとりとなっています。
リノベーションでは、断熱性と眺望を考慮し、坪庭に面した木製建具をアルミサッシの透明窓に入れ替えて。縁側と座敷を仕切る建具を雪見障子などのガラス入り建具にすれば、坪庭を眺めて過ごすくつろぎの空間が生まれます。
縁側からトオリニワへつづく扉を残すと、トオリニワ⇔縁側⇔座敷と回廊のように行き来できる、この町家の記憶を留めることができます。
猪熊通から町家を見て。築年数は不明ですが、昭和築の京町家に見られる意匠のファサードです。瓦屋根や杉板の腰壁など、京町家らしい風情を感じるたたずまいです。
アルミ製の格子や玄関扉を取り払い、新たに木製で造作すれば、さらに風情ある佇まいに。1階正面の窓の前にあるスペースは、自転車を停めたり、宅配ボックスを設置したり、さまざまな用途に使えそうです。
京町家の原型を色濃く残す、三つの床の間の京町家。
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