テラスがリビングになる公園前の家 まもなく完成を迎えます

先日、リノベーション中の物件の打合せを行いました。

プロジェクト:テラスがリビングになる 公園前の家

公園前の京町家内装工事も大詰めに入り、完成形が見えてきました。

写真は1階のLDK。
この町家は小規模な物件ですが、公園に向かって大きく開けた見晴らしの良い眺望を生かすため、対面キッチンを採用しています。

家事の途中やリビング・ダイニングでくつろぐ途中、ふと窓の外に目を遣ると
見晴らしの良い景色が目に飛び込んできます。

公園に面した陽当たりの良い庭には段差を設けたウッドデッキをしつらえ、テーブルやイスを置いたり段差に腰掛けたりと、自由にくつろげるようにしています。

その他、庭先に自転車やバイクを停められるスペース、LDKには床暖房や無垢フローリングを設置し、小さいながらも居心地の良い空間に仕上げています。

完成まで今しばらくお待ち下さい。

二軒ならびの京町家 初のオープンハウス開催

織屋建リノベーションプロジェクト 「二軒ならびの京町家 北棟・南棟」
初めてのオープンハウスを開催致します。

平成29年2月4日(土)・5日(日) 14時から16時
北棟・南棟 2軒同時開催

※本物件は初回オープンハウス前のご案内はお断りさせていただいております。
何卒ご了承くださいませ。
※駐車場はございませんので、お車でお越しの場合は近隣のコインパーキングをご利用下さい。

 

二軒ならびの京町家 織屋建

 

 

 

外観は京都の景観に配慮し、出格子や肘掛手すりをしつらえ町家らしい姿を再現。
室内は北棟・南棟それぞれ異なるテイストで仕上げています。

織屋建の構造を生かした吹抜けのあるリビング、全ての部屋にしつらえた古建具、
京都の冬を暖かく過ごすための床暖房など、
京町家の趣と生活利便性の両方を考慮した町家です。

初のオープンハウス、どうぞお気軽におこしください。

織屋建リノベーションプロジェクト「二軒ならびの京町家」 間もなく完成します

明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

 

 

二軒ならびの京町家 外観

 

現在進行中の織屋建リノベーションプロジェクト「二軒ならびの京町家」の物件が
間もなく完成を迎えます。
物件の前の通りは、両側に町家が連なり、希少な景観が残る道です。
景観に配慮し、和瓦の屋根、格子、漆喰壁、肘掛手すりなど、
京町家らしいファサードをリノベーションにより再生しています。

 

 

一軒は、グレーの石調タイルを基調としたモダンな京町家。

LDKの床をグレータイルと無垢フローリングで貼り分け、落ち着きのある
町家に。
グレータイルを室内から坪庭のテラスへと繋げ、内と外の連続性を持たせています。
吹抜け直下に位置するリビングの床をダイニングキッチンから一段下げ、
リビングの天井高を確保することで、より吹抜けの開放感を感じられるようにしています。

 

 

もう一軒は、全体に木をあしらった暖かみのある京町家。

床の大部分に無垢フローリング、造り付けキッチンに木材を使い、
見た目にも木のぬくもりが心地良い空間に。
玄関には約7帖の広々とした土間を設け、木のぬくもりに囲まれながら
のびのびと過ごすことができます。

 

二軒ならびの京町家

こちらの町家は、土間と室内との間仕切りに
ワーロンを使用しています(写真左)。
室内への視線を遮りながら光を柔らかく通すワーロンの繊細な風合いが、大きなインテリアパネルの様に部屋全体のアクセントとなっています。

 

 

 

リノベーションが完了次第、ウェブサイトに掲載致します。
今しばらくお待ちください。

新規プロジェクト 金木犀とベンチの家

新規プロジェクト「金木犀とベンチの家」を掲載しました。

金木犀とベンチの家

キンモクセイ

 

行き交う人で賑わう繁華な大通りの近くにありながら、
静寂が保たれた住宅街に佇む家。

元々この家の窓辺に植わる大きな金木犀(キンモクセイ)の木と、
金木犀をのぞむ位置に新設する木製ベンチが主役の家です。

 

 

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カフェやレストランでベンチに腰掛け、
のんびりお茶を飲みながら外の景色を眺めるように、
慌ただしい日常から離れ、ほっと一息つく時間。

家の中にいながら、そんなゆとりの時間を過ごせる空間をつくります。

 

哲学の道の隠れ家 現地案内会

弊社リノベーション物件「哲学の道の隠れ家」を掲載致しました。
哲学の道の隠れ家はこちら

今週末の10月29日(土)・30日(日) 午後2時より午後4時まで
現地案内会を開催致します。

どうぞお気軽にお越しください。

 

町家の床の間

物件は、哲学に繋がる小道を少し入った閑静な路地内にあります。

この町家の一番の特徴は、床の間が3つあるという点。

この町家の大きさで床の間が3か所あるというのはめずらしく、
窓の外からは鳥のさえずりや法然院の鐘の音が聞こえ、
家の中は都会の喧騒を忘れる落ち着いた雰囲気に満ちています。

町家専門の建築家の方によると、京都の町家はどんなに小さい家でも必ず床の間があるそうです。

 

哲学の道の町家

 

手摺りの京唐紙の襖、細工の美しい古建具、無垢ナラ材のフローリングなど、
素材にこだわった改装を行いました。

縁側越しに座敷からのぞむ風情ある坪庭は、安政6年に創業、京都の名勝の造園を数多く手掛けておられる花豊造園さんによるもの。

また、家電も置ける造作食器棚、食洗機付のキッチン、収納ボックス付の洗面鏡、十分な収納スペースなど、現代の生活に適した暮らしやすさにも配慮しています。

写真には写っていませんが、エアコン2台とロールスクリーンが設置されています。

外壁の漆喰塗装

先日、改装工事中の町家で、外壁の漆喰塗装が行われました。

 

左官職人の方による漆喰塗装

今回のリノベーションでは、長年京町家の改修をされている左官職人の方に塗装をお願いしました。

何度も何度も鏝(こて)を往復させ、少しずつ塗られていく漆喰。

「町家の外壁に真っ白の漆喰を使うと、格子や腰板の木部の古色とのコントラストが強く出すぎるから、うちではグレーがかった色の漆喰をよく使う」という左官職人の方の言葉の通り、淡くグレーがかった浅葱色(あさぎいろ)の漆喰が丁寧に塗り込められていきます。

落ち着いた色合いの漆喰が木部の古色と壁とのコントラストをやわらげていきます。

 

漆喰の下地

こちらの写真は漆喰を塗る前の外壁の下地の状態です。
まるで一枚の紙をぴんと張ったかように端正に塗りこめられた壁に、スサの温かみが町家らしい風情を添えています。
漆喰を重ねるのが惜しくなるほど美しい中塗り壁です。

町家や寺社仏閣の工事に携わってこられたベテランの大工の方からよく聞くのが、
「長年大工をやっていると大抵の工程は自分でできるようになるけど、
左官だけは別」という言葉。

熟練の左官職人の方により仕上げられたファサードの漆喰壁は、まさにこの町家の顔となる部分。その端正な表情が、周囲の町並みに溶け込む落ち着いた佇まいを演出します。

 

書斎

 

 

 

 

 

 

内部工事も終盤に差し掛かっています。
写真は無垢材の造作テーブルと本棚がある小さな書斎。
元々部屋の一角の収納として使われていたスペースを利用しています。

わずか2帖半ほどの小さなスペースですが、吹抜に面して開口を取ることで
心地良い通風と採光を確保しています。
吹抜を通じて階下の家族の気配を感じながら書き物やパソコン作業を行える
隠れ家のような空間です。

改修工事もいよいよ大詰めとなり、まもなく完成を迎えます。

町家の木部塗装

もうすぐ完成予定の改装町家の塗装打合せを行いました。

 

町家の塗装
町家の改装物件は新築物件とは異なり、
既存の柱や梁などの古色の木部と、
改装工事で新しく造り付けた柱や棚などの
素木の木部が同じ部屋に混在します。

部屋全体のバランスを見ながら、新設木部を
どのような色味でどこまで塗装すべきか、
塗装職人の方を交えて一か所一か所
相談しながら決めていきます。

 

この町家では、改装工事で新しく造り付けた建具枠や敷居等の新設木部を
既存木部に合わせて古色の塗装を施すことで、室内に統一感を出し、
落ち着いた雰囲気に仕上げることにしました。

 

 

町家のアクセントクロス

一方、新設の無垢材をあしらったLDKの天井は、
木そのものの美しさを生かすために透明な保護塗料のみを塗装。
透明な塗料が木に染み込むことで、木目が浮かび上がり自然な艶と表情が生まれます。

 

LDKの壁には藍色のアクセントクロスを使用。
和紙に似た柔らかい質感を持つ和紙クロスを使用しています。
日本の伝統色として古くから親しまれてきた藍色は既存木部にも新設木部にもよくなじみ、この町家を一層落ち着いた空間へと引き立てています。

京町家の京唐紙

先日の京町家の京唐紙に続き、弊社のリノベーション町家に使用している京唐紙についてのお話しです。

 

 

下の写真は弊社リノベーション物件「北山、土間の家」の床の間にしつらえた京唐紙。こちらも「京からかみ 丸二」さんの唐紙です。

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京都三大祭の一つ、平安時代に始まった「葵祭」が行われる上賀茂神社近くの物件であることから、上賀茂神社の神紋にちなみ、「二葉葵」の文様の京唐紙を選びました。

摺り色に、雲母(きら)と呼ばれる花崗岩を原料とした輝きのある塗料を使用しています。

唐紙の表情が最も美しいのは、室内の照明を消し、坪庭や天窓からの自然光のみを光源とした雲母の輝きを見る時かもしれません。

常に同じ明るさを造りだす現代の照明器具とは異なり、自然光は時間帯や天候によって刻々と表情を変えます。

普段はひっそりと町家に溶け込む唐紙も、見る角度や光の入り方により、上の写真のようにはっとした輝きを見せます。

 

 

 

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現代のような電気照明設備が無かった時代、室内を照らすのは、坪庭や天窓からの光と蝋燭の灯でした。
限られた光源に照らされた雲母の輝きは、ほの暗い町家の中で光を感じるための大切なしつらえだったのでしょう。

 

時折家の中の照明を消して、唐紙の控えめな輝きを静かに楽しむひとときは、
町家暮らしの楽しみのひとつです。

 

京町家の京唐紙

町家のリノベーションにおいて、襖紙は室内装飾の重要な要素となります。
弊社のリノベーション京町家では、襖紙に京唐紙をしつらえています。

唐紙とは、奈良時代に中国の唐から伝わった、美しい文様の装飾された紙のことです。
平安時代には当時の都であった京都で「京唐紙」として発展し、貴族や僧が文字を書くために使用していましたが、時代と共に襖や屏風等の室内装飾としても用いられるようになったとされています。

弊社がよく使わせていただくのは、京唐紙の老舗企業「京からかみ 丸二」さんの京唐紙。

京からかみ丸二さん ウェブサイト

絵具を塗った版木に紙を重ね手の平で紙を摺り文様を写しだす、伝統的な手刷りの技法で唐紙を作製されています。

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写真は弊社リノベーション物件「上京区の京町家」しつらえた、「光琳松」と呼ばれる文様の唐紙の襖。

松の木をデフォルメしたどこかユーモラスな光琳松の文様は、江戸時代を代表する絵師、尾形光琳らの絵柄をアレンジした「光琳文様」と呼ばれるものの一つ。
自然の草花や生物をモチーフにした慎ましやかな光琳文様は町家によく合うとされ、特に町民の間で好んで使用されてきました。

この唐紙を見た時、松の文様一つ一つの自然な濃淡と控えめな立体感の美しさに驚きました。
よく見るとどの松もそれぞれ表情が異なり、ユーモラスな姿も相まって、まるで生物のようです。全体を眺めるだけでなく、文様一つ一つにじっくり見入ってしまいました。

人が手の平で紙を刷る手刷りの技法にしか生み出せない、温かみのある美しい唐紙です。

町家のリノベーション

私たちが町家のリノベーションプランを考える際にいちばん大切にしているのは、「光と風を取り入れる」ということです。

ビフォー3

 

 

 

 

 

はじめて上京区のとある町家を見に行ったとき、上の写真のように家の奥の坪庭部分(南側)は真っ暗でした。一部に水回りが増築されていた上に、屋根で覆われ、ほとんど光が入らない状態です。
京都の町家の敷地は間口が狭く奥行が長い「うなぎの寝床」になっているところが多く、お風呂等が無い場合も多いため、水回りを増築する際に、部屋の間口を維持するためにお風呂やトイレで坪庭をふさいでしまうことがよくあります。

以前、京都を中心に全国的に活動されている著名な設計士の方の話を聞く機会がありました。その時に言われたのは、「とにかく、光を入れましょう。」ということ。
その言葉がとても印象的でした。朝目覚めたとき、日中リビングで過ごしているとき、自然光を感じることは人にとってとても大切だということです。

増築等により閉ざされてしまった坪庭を再生し、自然の光と風が入る家にする。

リノベーション後、真っ暗だった奥の部分はこのようになりました。

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