
全面リノベーション済京町家【二軒ならびの京町家 西棟・東棟】を新規掲載いたしました。
■初のオープンハウス 西棟・東棟 2軒同時開催
3/2(土)・3(日) 13:00-16:00
二軒ならびの京町家 西棟・東棟(2019年2月全面リノベーション済)
西棟 物件詳細はこちらから
東棟 物件詳細はこちらから
どうぞお気軽にお越しください。
閑静な住宅街に、大正時代の記録が残る3連棟の京町家が残されています。今回、そのうち東端と中央の二軒の京町家をリノベーションしました。
外観は京都の町並みの保全再生のため、二軒とも漆喰壁や木製平格子など京町家本来の意匠を再現しています。内装は元々この建物の持つ町家の趣を残しつつ、二軒それぞれ異なるテイストでリノベーションしています。
西棟の京町家は、現代の生活スタイルを取り入れたモダンなテイストです。
LDKの中心にフラットに並ぶ造作テーブルとキッチンが特徴です。
シャープなステンレス製の天板とIHコンロ、薄型のレンジフード、インダストリアルなダクト、スワン型の水栓など、機能性を確保しつつ細部まで美しさにこだわり設計されているため、キッチン周りの設備全体が家具のように町家の空間と調和します。
織屋建特有の吹き抜けの真下に位置するリビングは、DKより床レベルを下げることで吹き抜けの開放感を強調しています。
キッチン・ダイニング・リビングにそれぞれ床暖房を設置しているので、京都の寒い冬も暖かく過ごせます。
2階は寝室2室で構成されています。
既存建物の改修という制約の中で、元の構造を無理に変えることなくリノベーションしています。
そのため、北側の寝室の天井高が低くなっていますが、勾配天井で開放感を生み出す、空きスペースにウォークインクローゼットを設けるなど、限られた空間でも心地良く暮らせるよう配慮しています。
南側の寝室は、吹き抜けに面して開口を二か所設けた明るい空間です。小窓から階下のリビングと坪庭を見下ろす眺めは、織屋建京町家ならではの魅力です。
東棟は京町家本来の風情を色濃く残したリノベーションを行っています。
通り庭の趣を保つため、玄関から建物の奥まで続く細長い空間を残し、居室より床レベルを一段下げています。また、通り庭に沿って居室が縦に連なる京町家本来の間取りを意識し、居室を一直線に並べて視線を奥へ誘導することで、空間に奥行を生み出しています。
建具を極力取り払うことで、天窓や坪庭からの自然光を室内に行き渡らせるとともに、空間をより伸びやかに見せています。

2階北側の寝室の様子です。西棟と同様に天井高が低いですが、こちらも既存建物のポテンシャルを最大限に生かして改修しています。
寝室奥には、元々物置として使われていたと思われる木置きと呼ばれる空間を生かし、小さな書斎とウォークインクローゼットを造りました。書斎のカウンターテーブル前の小窓からは階下を見下ろします。コンパクトな空間でありながらダイナミックな眺めを楽しむことができる遊び心のある空間です。
3/2(土)・3(日) 13:00-16:00
初のオープンハウスにどうぞお気軽にお越しください。
先日ブログにてご紹介した
こちらは玄関間の様子。表の通りに面した窓から格子越しに柔らかい光が射し込みます。
玄関間にしつらえた古建具。この町家は既存の古建具がほとんど残されていなかったため、古建具店で新たに選定したものも併せて設置しています。柱と梁で構成される京町家は建具が部屋の印象を大きく左右するため、デザイン性に富み、かつ建物の風情を損なわないような上品な建具を選ぶようにしています。特に、写真の様に細かな桟があしらわれた建具は、桟の隙間から隣接する空間が僅かに覗くことで、空間に奥行と立体感が生まれます。

2階の階段奥には小さなテラスのような余剰空間を設けています。
小さな和室に造り付けた地袋。
唐紙の文様は「光悦桐」。
上京区を東西にはしる蘆山寺(ろざんじ)通に面した角地の京町家。

先ほどオープンハウス準備のため現地を訪れましたが、正面の格子窓と坪庭に面した奥の窓を開け放つと、心地良い風がすっと家の中を通り抜け、残暑厳しい季節とは思えないすがすがしさに驚きました。今まで色々な町家を訪れましたが、前の道が広く奥の坪庭が開けている町家は風の通りがよく涼しさを感じるように思います。
職人の方に大まかなデザインと大きさを伝え、細かな部分はお任せしていた造作ポスト。確認のため現場に行くと、A4サイズの郵便物が入る立派なポストが出来上がっていました。〒マークの透かし彫りが入ったレトロなデザインの木製ポストです。


透かし彫りの美しい廊下の手摺。
2階、廊下と同様に勾配天井で梁をあらわした和室。





