新規物件 東福寺駅徒歩5分、リノベーション向きの家

先日、「東福寺駅徒歩5分、リノベーション向きの家」の初めてのオープンハウスを開催しました。

東福寺駅徒歩5分、リノベーション向きの家

暑い中多くのお客様にご来場いただきました。ありがとうございました。

本物件は、JR奈良線・京阪本線の2路線が使える「東福寺」駅から徒歩5分の場所に佇む中古テラスハウスです。
この物件の一番の魅力は、JR・京阪が使えるというアクセスの良さ。

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JRでは、京都駅まで1駅(乗車約3分)、
伏見稲荷の最寄り駅「稲荷駅」まで1駅(乗車約3分)。

「京都駅」は、京都観光の拠点となる京都の玄関口。
「稲荷駅」は、千本鳥居で知られる京都随一の観光名所、
「伏見稲荷大社」の目の前の駅。

伏見稲荷大社は海外の方が選ぶ京都の人気観光地NO.1に選ばれた実績があり、
連日国内外から非常にたくさんの方が訪れています。

京阪電車では、八坂神社や花見小路の最寄駅「祇園四条」駅まで乗車約5分、
京都の中心地である「三条」駅まで乗車約7分、
一般公開も開始された御所(京都御苑)にほど近い「神宮丸太町」駅まで乗車約15分。

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写真撮影のために実際に東福寺駅からJR・京阪で各方面へ移動しましたが、
京都の主要な駅や観光地へ乗り換えなしでアクセスができるのは、非常に便利です。
通勤通学・旅行や帰省で京都駅を訪れる時、御所や伏見稲荷等の有名観光地にふらっと行きたい時、三条・祇園・四条河原町エリアで買い物を楽しみたい時など、日常生活の色々なシーンを快適に過ごせる立地の良さ。

京都旅行に来られた際の宿泊場所として、賃貸投資用物件として、お住まいとして、
様々に活用していただける物件です。

 

 

 

京町家の京唐紙

先日の京町家の京唐紙に続き、弊社のリノベーション町家に使用している京唐紙についてのお話しです。

 

 

下の写真は弊社リノベーション物件「北山、土間の家」の床の間にしつらえた京唐紙。こちらも「京からかみ 丸二」さんの唐紙です。

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京都三大祭の一つ、平安時代に始まった「葵祭」が行われる上賀茂神社近くの物件であることから、上賀茂神社の神紋にちなみ、「二葉葵」の文様の京唐紙を選びました。

摺り色に、雲母(きら)と呼ばれる花崗岩を原料とした輝きのある塗料を使用しています。

唐紙の表情が最も美しいのは、室内の照明を消し、坪庭や天窓からの自然光のみを光源とした雲母の輝きを見る時かもしれません。

常に同じ明るさを造りだす現代の照明器具とは異なり、自然光は時間帯や天候によって刻々と表情を変えます。

普段はひっそりと町家に溶け込む唐紙も、見る角度や光の入り方により、上の写真のようにはっとした輝きを見せます。

 

 

 

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現代のような電気照明設備が無かった時代、室内を照らすのは、坪庭や天窓からの光と蝋燭の灯でした。
限られた光源に照らされた雲母の輝きは、ほの暗い町家の中で光を感じるための大切なしつらえだったのでしょう。

 

時折家の中の照明を消して、唐紙の控えめな輝きを静かに楽しむひとときは、
町家暮らしの楽しみのひとつです。

 

京町家の京唐紙

町家のリノベーションにおいて、襖紙は室内装飾の重要な要素となります。
弊社のリノベーション京町家では、襖紙に京唐紙をしつらえています。

唐紙とは、奈良時代に中国の唐から伝わった、美しい文様の装飾された紙のことです。
平安時代には当時の都であった京都で「京唐紙」として発展し、貴族や僧が文字を書くために使用していましたが、時代と共に襖や屏風等の室内装飾としても用いられるようになったとされています。

弊社がよく使わせていただくのは、京唐紙の老舗企業「京からかみ 丸二」さんの京唐紙。

京からかみ丸二さん ウェブサイト

絵具を塗った版木に紙を重ね手の平で紙を摺り文様を写しだす、伝統的な手刷りの技法で唐紙を作製されています。

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写真は弊社リノベーション物件「上京区の京町家」しつらえた、「光琳松」と呼ばれる文様の唐紙の襖。

松の木をデフォルメしたどこかユーモラスな光琳松の文様は、江戸時代を代表する絵師、尾形光琳らの絵柄をアレンジした「光琳文様」と呼ばれるものの一つ。
自然の草花や生物をモチーフにした慎ましやかな光琳文様は町家によく合うとされ、特に町民の間で好んで使用されてきました。

この唐紙を見た時、松の文様一つ一つの自然な濃淡と控えめな立体感の美しさに驚きました。
よく見るとどの松もそれぞれ表情が異なり、ユーモラスな姿も相まって、まるで生物のようです。全体を眺めるだけでなく、文様一つ一つにじっくり見入ってしまいました。

人が手の平で紙を刷る手刷りの技法にしか生み出せない、温かみのある美しい唐紙です。

町家のリノベーション

私たちが町家のリノベーションプランを考える際にいちばん大切にしているのは、「光と風を取り入れる」ということです。

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はじめて上京区のとある町家を見に行ったとき、上の写真のように家の奥の坪庭部分(南側)は真っ暗でした。一部に水回りが増築されていた上に、屋根で覆われ、ほとんど光が入らない状態です。
京都の町家の敷地は間口が狭く奥行が長い「うなぎの寝床」になっているところが多く、お風呂等が無い場合も多いため、水回りを増築する際に、部屋の間口を維持するためにお風呂やトイレで坪庭をふさいでしまうことがよくあります。

以前、京都を中心に全国的に活動されている著名な設計士の方の話を聞く機会がありました。その時に言われたのは、「とにかく、光を入れましょう。」ということ。
その言葉がとても印象的でした。朝目覚めたとき、日中リビングで過ごしているとき、自然光を感じることは人にとってとても大切だということです。

増築等により閉ざされてしまった坪庭を再生し、自然の光と風が入る家にする。

リノベーション後、真っ暗だった奥の部分はこのようになりました。

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京町家 公開シンポジウムのお知らせ

6月4日に開催されます京町家の公開シンポジウムのお知らせです。

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<公開シンポジウム ?町家をこれ以上壊さないために?>
京町家再生研究会、京町家情報センター他関連組織、京都府宅地建物取引業協会は、昨年12月に門川市長に「京町家の流通促進による保全・再生案に関する要望書」を提出しました。京町家を壊す前に一旦届け出ていただき、一定期間内に引き継ぐ人や方法を探そう、という取り組みです。

今回のシンポジウムでは、京町家の価値を再認識し、次の世代に引き継ぐために適切な改修による再生が必要であることを市民のみなさんと共有したいと考えています。

シンポジウムのご案内PDFはこちら

 

■公開シンポジウム ??町家をこれ以上壊さないために?
・日時 2016年6月4日(土) 14時30分?17時30分
・場所 京都文化博物館 別館ホール
〒604-8183 京都市中京区三条高倉
http://www.miyako-es.jpwww.bunpaku.or.jp/info/access/

・開催挨拶 小島冨佐江 京町家再生研究会理事長
・趣旨説明 宗田好史  京都府立大学教授 京町家再生研究会副理事長

・パネルディスカッション
小笠原憲一  京都市副市長
デービット・アトキンソン  小西美術工藝社 京町家友の会会長
西村孝平  株式会社八清  京町家情報センター
公益社団法人京都府宅地建物取引業協会 役員(予定)

・定員 120名 参加無料
・お申込み・お問い合わせ(メールまたはファックス)
mail saisei@kyomachiya.net  fax 075-2?1-0727
京町家再生研究会 事務局

 

 

京町家友の会 デービッド・アトキンソンさん講演会

先日、京都大学百周年時計台記念館にて行われた、京町家友の会の講演会に参加しました。

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講師はイギリス出身で小西美術工藝社社長のデービッドアトキンソンさん。

京町家友の会の会長でもあり、著書「新・観光立国論」がベストセラーになったことでも有名な方です。

京都の観光についてのさまざまなご意見を伺いましたが、これからの日本の経済において、観光業は大変重要な基幹産業になるとのこと。

アメリカの大手旅行雑誌が発表する、旅行で訪れたい世界の都市のランキングで、京都市が日本の都市で初めて2年連続1位に選ばれましたが、フランスを訪れる観光客の数などと比較すると、外国から京都に来る観光客は少なく、観光業の観点から見た京都の改善の余地はまだまだあるとのことです。

以前とある会合で、関東から京都に転勤になった方からこんなことを尋ねられました。「町家に住んでみたいんですが、隣にはマンションが建っていたりすることが多いですよね。町家が並んでいる地域はどこにあるんですか?」

西陣界隈にはまだ町家が残っているところがあるなどお伝えしましたが、今回のお話でも、京都を訪れる外国の方が、京都の町並みにがっかりされることがあるとのこと。

京都の町を歩くと、以前あった町家が取り壊されて更地になっているのを見ることも多々あります。年々減少していく町家を残すことの重要性について考えさせられました。

京町家の古建具

先日、改装中のとある町家に使用する古建具の選定のため、古建具店を訪れました。

訪れたのは、御所南にある井川建具店さん。
弊社が町家のリノベーションを行う際に、いつもお世話になっている古建具店さんです。

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井川さんの店内には様々な種類の大量の古建具が所狭しと並べられています。

この日、まずは玄関の上り口の古建具を探していることを伝えると、
「それやったら、この間ちょうど良い建具が入って…」とお店の奥に入って行かれるご主人。

 

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大量の古建具の中から、写真の板戸をさっと取り出して見せて下さいました。
「かなり古い建具やけど、かえっていい味が出てます。」とおっしゃる通り、
比較的状態が良く、経年変化による独特の風合いや古色の色合いが美しい板戸です。早速こちらの古建具を使うことを決定。決定した建具にはテープ等で印を付けます。

次に、部屋と部屋の間仕切りに使用するガラス戸を選定するため、ご主人と共にお店から少し離れた場所に位置する倉庫へと向かいました。

 

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倉庫にはお店以上に大量の古建具が保管されていて、
写真のように、何枚も重ねて並べられた古建具の間に、大人一人がやっと通れる程度の通路が確保されています。その隙間を縫うように倉庫の奥へ進むと、さらに大量の古建具が収納されています。

町家のリノベーションは新築住宅とは異なり、既存の建物を利用するため、基本的には古建具の寸法と建物の開口部の寸法が合わなければ使用することができません。
そのため、意匠と寸法の両方を確認しながら、古建具を選定していきます。

 

京町家の古建具

京町家の風情を演出する大切な要素のひとつ、古建具のお話しです。

柱と梁の構造で造られる町家(日本家屋)は開口部の面積が大きく、その大きな開口部を壁ではなく建具で仕切るという文化を持ちます。
そのため、どのような古建具を使用するかが家の雰囲気を大きく左右します。

町家をリノベーションするにあたり、元々町家に良い古建具が残されている場合は既存古建具を適宜補修して使用しますが、古建具が残されていない場合や新建材の建具に取り換えられている場合、古建具を扱うお店で新たに古建具を選びます。

 

今回は、現在掲載中のリノベーション済京町家物件「哲学の道の隠れ家」で新たに選定した古建具をご紹介します。

 

 

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こちらは玄関間とDKを仕切る古建具。上部に木製の細工、中央部は型ガラスと透明ガラスがあしらわれています。京町家でよく見られる古建具です。
古建具店のご主人によると、京都の古建具は写真のようにシンプルな意匠のものが多く、デザインの種類もある程度限定されているとのこと。

この部屋は、ご近所の方や急な来客に対する簡易な接客の場や、荷物の受け取り場所として使うことを想定しています。そのため、家の奥にあまり目線が入らないよう、型ガラス(不透明なガラス)が多く使われた古建具を選定しました。
一方で、北向きの部屋の為、採光に配慮し、型ガラスに挟まれる形で細い透明ガラスをあしらった建具を選んでいます。
透明ガラスからDKや座敷の様子がちらちらと伺えるため、仕切られた空間でありながら隣の部屋とのつながりや坪庭からの光を感じられる心地良い空間になっています。

 

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こちらはDKと座敷を仕切る古建具。
先程の古建具とは異なり、かなり細かな細工の建具になります。
上部には凝った意匠が施され、中央部には狭い間隔で桟があしらわれています。
このように細かな意匠や桟の間隔が狭いものは、北陸地方でよく見られる古建具です。シンプルなDKのアクセントとなるよう、北陸地方の細かな細工が施された古建具を選定しています。